第2回 顔から膿?

今回のテーマは、比較的良く見かける症状でもある

目の下が腫れている

です。

これは、見た目で大体診断できます。

写真は右の頬が腫れて膿が出た10歳のトイプードルちゃんです。

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一見、皮膚に問題があるのかと思いますが、

『目の下が腫れて膿が出た』『高齢』『重度の歯周病を患っている』場合、そのほとんどが歯周病によって歯の根っこが膿んでしまっていることが原因です。

お口の中を見てみると…

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10年分の歯石で歯の表面がみえなくなっています。そして、歯石の脇から膿が出て『歯槽膿漏』になっています。

この状況だと、全身麻酔をかけて、まず歯石を除去してみないと歯と歯周組織の状況がわかりませんので、診断はもとより治療方針の決定もできません。

歯石を取ってみると…

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歯を支える歯周組織が破壊されてしまい、歯の根っこが露出しているところが沢山認められます。

そして、引き続き顔が腫れた原因を探ります。

『歯周プローブ』という歯科用の器具を膿が排出した瘻管(ろうかん)に沿わせて挿入してみると…

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そして、そのままレントゲンを撮ります

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そうすると原因の歯の根っこまで『歯周プローブ』が到達しているのが確認できます。

つまり、膿が出てきた原因は上あごの一番大きな歯だとわかります。

これにより、

重度の歯周病になってできた深い歯周ポケットが原因で顔が腫れた

という事がわかります。

細菌の溜まり場になってしまった歯の根っこを残したまま、抗生物質でごまかしていても一時は良くなりますが、決して治りません。ですので、この様な重度の歯周病になってしまった歯は抜歯以外に治療方法はありません。

飼い主さまは、今まで歯磨きをしていなかった(歯磨きの重要性を知らなかった)ですが、今回をきっかけにこれから歯磨きを頑張るということでしたので、残せそうな歯は適切な治療を行い残すことにしました。

写真は、処置後のお口の状態です。

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どうでしょう?抜歯しましたが、思ったより綺麗じゃないでしょうか?

当院では、抜歯する時に必ず全身の痛み止めの注射と局所麻酔を併用していますので、これだけ抜歯しても帰宅したらご飯が食べれます。

抜歯したところも全て、細く溶ける糸で縫合していますので、綺麗に治りますし治りも早いです。

今回の病気は

『外歯瘻』(がいしろう) もしくは 『眼科窩膿瘍』(がんかかのうよう)

と言います。

ダックスちゃんを筆頭に小型犬にとても多くみられる病気です。

重度の歯周病の結果起こる病気で、高齢のワンちゃんに多く認められます。その為、飼い主さまが麻酔を心配されて手術に踏み切れないことがありますが、ちゃんと麻酔前の全身検査を行うことで、安全に全身麻酔をすることができます。

処置後に『無臭』になった愛犬、『お口の痛みから解放』された愛犬を想像してみてください。

当院では、高齢のワンちゃんを日常的に安全に麻酔をかけています。

抗生剤で何度も再発を繰り返している子は是非ご相談ください。

 

『歯科専門病院だからこそできる治療。確かな医療をペットに、正しい知識を飼い主さまに!』

最後までお読みいただきありがとうございました(^^)/

 

東京杉並区の荻窪にあり、双子は歯科医師、荻窪ツイン動物病院

院長 町田健吾