第11回 このお口、何歳に見えますか?

早速ですが、皆さんに質問です。

この歯の状態(肉眼写真、レントゲン写真)を見て何歳だと思いますか?

ちなみに体重が1.8㎏のチワワちゃんです。

まずは肉眼写真から見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

かなり歯石が付いていますね。歯ぐきも赤く腫れて退縮していています。犬歯の傍には乳歯と思われるものも残っています。

ちなみに、初診の日から2週間抗生剤と消炎剤を内服して、病院で口腔内の消毒をして、多少状況が改善されてこの状況です…

その他の写真も見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて、歯のレントゲンを見てみましょう。

☆レントゲン画像の簡単な読み方☆

「歯は歯槽骨という骨で支えられています。歯周病になると細菌によってその骨が破壊されてグラついてきます。レントゲンではその歯槽骨の状態を見ています。歯周病が進むと歯のまわりにあるべき白い骨が無くなってが黒くなってきます。」

簡単に言うと“歯の周りに白い骨がどの程度あるか”を見て歯周病の進行度を評価しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは上あごの前歯のレントゲンです。本来は歯1本1本の根っこを支えるためもっと土台となる歯槽骨が沢山ありましたが、歯周病が進んでかなり破壊されてしまっているのがわかります。その他の写真も同様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レントゲンでは部分部分で乳歯が残っているのがわかります。

検査結果からほとんどすべての歯において重度の歯周炎があると診断されます。

さあ、一体この子は何歳でしょうか?

 

 

答えは、3歳2か月です。

恐らく予想をはるかに上回る衝撃的な年齢だったのではないでしょうか?

ちなみにこの子は飼い主様と相談した結果犬歯4本以外すべての歯を抜歯しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな状況です…。

わんちゃんは人に比べ歯の必要性は低いと考えられますが、それにしても3歳でこんな状況になってしまうのはあまりにも残念に思います。

この様な状況になった主な原因を挙げます。

1.去勢手術の時に適切に乳歯抜歯がされなかった。(かかりつけではそのうち抜けるのを待ちましょうと言われていた。)

2.1.8㎏という超小型犬だったため、歯が密集して生えて歯垢が溜まり易い環境だった。

3.歯自体が小さいので歯周病になると歯槽骨の破壊の程度が軽度でも重症化しやすい。

つまり、小型犬は歯周病が進行しやすいため乳歯を残していたり、歯磨きを怠っていると、気づいた時には抜歯以外に治療がなくなってしまうことがあるんです!

是非、飼い主の皆様にはこのケースを教訓にして歯の健康について再度考えてだけたらと思います。

 

『歯科専門病院だからこそできる治療。確かな医療をペットに、正しい知識を飼い主さまに!』

最後までお読みいただきありがとうございました(^^)/

荻窪ツイン動物病院 院長 町田健吾

 

No Comments Yet.

Leave a comment